【薬膳生活お役立ち情報】HbA1c血糖値高めに漢方で対応できるか症例研究1

【薬膳生活お役立ち情報】HbA1c血糖値高めに漢方で対応できるか症例研究1

薬膳ライフコーチがレシピ開発中

医療や食やセラピーの現場で、自分や家族の不調に何を食べたらいいのか迷う患者さまやクライアントさまに、やさしい家庭薬膳レシピを提案できる人材を育成して14年になります。 きっかけは、肺がんの放射線の通院治療で体内の呼吸器に火傷を負った父に、実家で炎症を癒す料理を考えられなかった会社員当時の後悔でした。 父が他界した後この苦い経験を糧に薬膳を学び、勤めを辞して2008年に《薬膳の専門家》を養成する薬膳スクールを開校して現在に至ります。 《薬膳の専門家》を育てる【ナチュラル薬膳生活Ⓡ学び舎ブログ】 間もなく還暦を迎える薬膳ライフコーチは先月の人間ドックのHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)の数値が、5%台後半から6.0%になったのに気づきました! もちろん薬膳の専門家ですから、生活習慣病にならない薬膳を食して普段は糖尿病・高血圧・脂質異常症にならないように暮らしています。 あまり特定健康診査の「基準値」「正常値」にこだわり過ぎて長期間薬漬けになるのは考えものという主旨のブログも以前したたためています。 でもやはり職業柄、しっかり問題点を精査して食事はもちろん運動や休養の面でも糖尿病にならないための対策を始めなくてはと思いました。 もう少し過去の記録に遡り、肥満でなかった父も血糖値高めだったこともあり、糖代謝がよくない遺伝体質であることに加え、加齢でインスリンが減ってきたらしいのが判明。 BMIは20程度しかないから肥満ではないですし。 でもこの夏の猛暑のランチタイム、かなり立て続けにJA東葛さんのアンテナショップで野菜のジェラートを食べていたのも一因かと思います。。 こちらのジェラート自体は薬膳ライフコーチの主観なのですが、世界一の品質で自然なおいしさなので、食べ過ぎなければイチオシ。 要はわたくしが血糖値を上げる食べ方をしていたのが問題でした。 ジェラートを食べてはいけないというわけではありませんから誤解しないでくださいね。 しかし中医学では消化器系統の代謝の働きを妨げる冷たい食べ物は本来は禁忌なうえに、アイスは糖質が多いです。 「ナチュラル薬膳生活Ⓡ」を社会に普及している身なのに反省しています。。。 とはいえ、糖尿病の予防ケアの薬膳レッスンはやさしい単発セミナーで過去14年間に何度も行ってきました。 中医営養学と現代栄養学の見地から糖尿病にならないように、自分の薬膳生活にも改めて生かし始めました。

糖尿病の薬膳レッスン資料

今回の人間ドックの結果は、還暦前の自分も含め糖尿病予備軍のための薬膳生活レッスンをアップデートするのによい機会となっています。 来月に開講するリニューアル【後期】薬膳応用コースには、日本人が手に入れやすい漢方薬を服用している人の薬膳をカリキュラムに含めることにしたばかり。 ですので自分のケースも症例研究のひとつとして、中医学に日本漢方も取り入れた薬膳生活を研究かつ実践することにしました。 生活習慣はもちろん、わたくしのように年齢を重ねると基礎代謝が下がるので、糖尿病・高血圧症・脂質異常症にならないよう気をつけたい大人女性は多いことと思います。 そんな皆さんにも将来役立つように、まず「【薬膳生活お役立ち情報】HbA1c血糖値高めに漢方で対応できるか症例研究1」から分かち合わせていただきます。

いわゆる生活習慣病の原因は生活習慣のせいだけでないことも

いわゆる生活習慣病は、糖尿病、高血圧、脂質異常症のこと。 一般的には食事・運動・休養の健康の三本柱となるライフスタイルが乱れているから、発症する病気だといわれます。 生活習慣病のうち今回は血糖値高め予防ケアがテーマなので、糖尿病に絞ってお話しますが、世の中に自己免疫疾患などのせいでインスリンがほとんど出ず糖尿病になってしまう患者さまもいらっしゃいます。 幼少期に子供がこの急性の自己免疫疾患にかかってしまうこともあるのですが、このタイプをⅠ型糖尿病といいます。 ですから生活習慣病と呼ばれている病気がすべて生活習慣の乱れによるものとは限りません。 Ⅰ型糖尿病以外のいわゆる生活習慣病が原因とされているのは、Ⅱ型糖尿病と呼ばれています。

糖尿病の注射

健康志向の高い読者の皆さんはご存じの場合が多いと思いますが、一般的にはⅠ型糖尿病のことはまだあまり知られていません。 《薬膳の専門家》なら、生活習慣病といわれる病気の原因が全てライフスタイルだけに限らないのを知っておきたいものですね。

生活習慣病といわれる糖尿病はⅡ型のこと

よって生活習慣病といわれるのはⅡ型糖尿病のこと。 薬膳ライフコーチ自身も注意しなくてはならないのは、このⅡ型糖尿病のほうに進行しない生活をすること。 日本人はもともと農耕や漁業から糧を得てきたDNAを持っているのに、開国して欧米人と同じお肉や乳製品を食べるようになりましたが、まだ150年くらいしか経っていません。 食べ物から体やエネルギーを作る基礎代謝の過程で、消化酵素の働き方が日本人と欧米人では本来は遺伝的に異なるであろうことは想像がつきます。 現代は日本人はあっさりした和食はもちろん、トンカツ、ミルクたっぷりのカフェラテ、お総菜パン、中華料理、イタ飯、エスニック料理等など、バラエティー豊かな食生活を楽しむようになりました。

麻婆豆腐

その一方で、 ・乳糖を代謝できなくて牛乳を飲むとお腹ゴロゴロの人、 ・お肉を食べると解毒システムに負担がかかって花粉症がひどくなる人、 ・脂質や糖質の摂り過ぎによる肥満でインスリンが効かなくなる人、 ・肥満でなくても糖代謝がこってり料理に追い付かず血糖値が高くなる人、 等など、 食の欧米化や飽食によって食べ物の質が変わり、カロリーオーバーになったため、アレルギーや肥満や生活習慣病になる人が増えています。 2004年のデータですが疾病による死亡原因のうち生活習慣病による合併症で亡くなる方が6割という状態は、もはや誰にとっても他人事ではありません。 合併症の主な病気には、脳血管疾患や心疾患などが含まれますので命に関わります。 BMIが正常値で太っていなくても、不調の症状が出ていなくても、特定健康診査の結果で気を付けた方がいいかなと気づいたら、将来は合併症に進む可能性があり、これが中医学でいう「未病」にあたることが多いです。

血圧検査と降圧剤

化学合成薬を長期間摂り続けるとは体の解毒システムに負担をかけ続けるので、早期に気づいたら慌てて数値を特定健康診査の基準値に収めるために生活習慣病の薬を飲むのは考えもの。 よく相談に乗ってくれるお医者さまに十分相談して、まずは薬膳生活や、その他の自分に合う生活習慣の改善方法を取り入れて、薬に頼る前に食事・運動・休養の見直しと実践を始めたいものです。

HbA1c高めの改善に血府逐瘀湯と田七人参を併用するのはどんなケースか

薬膳ライフコーチはHbA1cが高めになった理由を自己分析したうえで、糖尿病の予防ケアの薬膳を今まで以上に気を配って開発するようになりました。 そのうえで、もともと中医学の知見を踏まえて緩やかなエイジングを目指す日本漢方を使っていたのですが、血糖値が高めな状態を改善する別の漢方薬の処方も併用してみたいと思いました。 それで今、薬膳の食事療法とともに服用し始めてみているのは、血府逐瘀湯と田七人参の併用です。 薬膳を学び始めた頃、中国の中医薬大学出身の中国人の中医師がいる漢方クリニックで処方してもらった薬を自分で煎じて服用。 そのおかげで血の巡りが改善して溜まった汚い血液を体の外に出せたので、卵巣のう腫の再発を防げた経験があるからです。 血管と赤血球 都心でサラリーマンをしていた頃でした。 中国人の中医師は日本の医師免許を持っていない場合が多いので、日本のお医者さんとタイアップして働いていることがあります。 都心の漢方クリニックはそのような医療機関でしたので、漢方と謳っていますが、日本漢方ではなく、本格的な中医学の手法で血(けつ)の問題を改善できたのですね。 日本漢方は日本にもともとあった伝統療法と中国から渡ってきた中医学が融合して、日本が鎖国した後、中国の中医学と日本漢方は、それぞれ独自の発展を遂げて来ました。 このため、日本漢方で使う薬は和漢薬と言ったりします。 日本では漢方薬や生薬と言いますが、中医学では、これらをもともと方剤や中薬と呼んでいます。 日本薬局方に収載されている生薬は、中医学の中薬と重複していますが、若干呼び名が違っていたりするものもあります。 漢方薬の名前もほとんど同じですが、配合が若干違ったり、日本の生薬の量は中医学の薬より少なかったりします。 柏に薬膳スクールを開業してからは、自宅兼オフィス近くの我孫子の薬膳漢方堂さんにお世話になっており、生薬や日本漢方のエキス剤を購入して、不調の相談もしてきました。 日本ではエキス剤しか置いていない漢方薬局が多い中、薬膳漢方堂さんは小さいながら店内には香港の中薬の薬局と同じように生薬の瓶がずらり。

薬膳漢方堂の中薬の瓶

自宅近くにこのような薬局があったおかげで、これまでとても充実した薬膳レッスンを行うことができました。 その薬膳漢方堂さんにいつもの薬を買いに行き、その際にHbA1c高めの件もお話して、自覚症状としては足の指先が少し痺れることをお話しました。 それで、勧めてもらったのが血府逐瘀湯と田七人参の組み合わせだったのですね。 ひと口に糖尿病と言っても、ステージや症状の有無、原因などは様々なので、中医学の3ステップでしっかり見立てないと漢方薬の処方は決まりません。 わたくしの体質は以前から血流が悪い血瘀証(けつおしょう)の体質だと分かっていることや、痺れが少し出ていることから、中医学でいう「瘀血(おけつ)」という血の塊が溜まっていると判断したのですね。 瘀血は体内に溜まった血の病的産物。 HbA1cは、赤血球のヘモグロビンに代謝しきれなかった糖がくっついて、糖化ヘモグロビンになっているパーセンテージがどの程度かを表す数値。 なるほど、糖化ヘモグロビンは瘀血のモト。 だから、固まった血の老廃物を流して体の外に出す漢方薬が処方されたというワケです。 血府逐瘀湯に含まれている生薬は、日本漢方だとカタカナの音読みで以下のように記載されています。 トウキ シャクヤク センキュウ サイコ ジオウ カンゾウ トウニン キキョウ コウカ ゴシツ キジツ 中医学で方剤や中薬を学ぶと中国語の漢字で下記のように習います。 当帰 芍薬 川芎 柴胡 地黄 甘草 桃仁 桔梗 紅花 牛膝 枳実 ここでは個々の生薬詳細の説明は【後期】薬膳応用コースで学ぶレベルなので省きます。 要は血流を良くする配合なのですが、大切なのは血流を良くするだけでなく血を作る生薬も含まれるのがポイント。 血流は血が脈管の中に充実していてはじめてよく流れるという考え方があるからです。 そして血は気と一緒に流れると考えられているので、気の巡りも良くする生薬も含まれています。 子宮を収縮させる生薬が含まれるので、妊婦さんには禁忌です。 薬膳漢方堂さんではよく生の田七人参の液状のエキスを勧めて頂くのですが、自分は上質なパウダータイプの苦い田七人参を持っているので、それを一緒にお湯で溶いて飲むことにしました。 今日はお昼にこのインスタント湯液を作って服用してから、手作りの糖尿病の予防ケアの薬膳お弁当を美味しく食べました。 血を生み出す豚ハツと春菊と松の実炒め、辛味で循環を良くする生姜と長葱と茗荷。 生姜と茗荷は血行を促進する純米酢に漬けたピクルス。 糖質のご飯はお茶碗の半分程度にして、抗酸化力のある雑穀のもちきびを加えて飯に仕上げました。

血府逐瘀湯と田七人参と薬膳お弁当

血府逐瘀湯はエキス剤タイプですが、煎じ液を作る時間が出来たら、自分で煎じて服用したいと考えています。 田七人参は血行を促進する働きがとても強いので、薬膳漢方堂さんのアドバイスに従って一緒に組み合わせることにしました。

まとめ【薬膳生活お役立ち情報】HbA1c血糖値高めに漢方薬もプラスする症例研究1

薬膳ライフコーチ自身が血糖値を検査したらHbA1cの基準値が糖尿病に気を付ける6.0%にまで高まったため、その改善に漢方薬もプラスする症例研究を始めたお話でした。 まず糖尿病のような生活習慣病は実は、生活の乱れのせいではなく免疫システムの疾患でも起こるⅠ型があることを解説。 生活習慣病の進行を予防ケアする薬膳生活では、薬膳だけでなく日本で手に入れやすい漢方薬を併用することでも効果が上がる可能性があることを紹介しました。 薬膳ライフコーチ自身のHbA1c血糖値高めでは血行が悪いのが原因と思われたので、血行をよくする血府逐瘀湯と田七人参の処方でまずは様子を見る方法を選んだこと。 血行を良くする糖尿病の予防ケアの食事を心がけていることを紹介しました。 薬膳ライフコーチの症例研究をもとにして、生活習慣病の中でもHbA1c高めのための糖尿病予防ケアの薬膳生活の考え方が、同じような健康不安を抱える大人女性の皆さんの参考になれば幸いです。 須崎桂子けいてぃー♪]]>