こんにちは。貴女の潜在的なレシピ開発力をひきだす薬膳ライフコーチ須崎桂子けいてぃーです。
昨日は「バクティヨガセンター」の「薬膳ヨガ講師養成講座」卒業式でした。
笑顔いっぱいで感動のひととき(^^)/
仏教用語で他の人たちとの縁が紡がれて、宇宙が形成されていくことを「縁起」といいます。
仲間達との出会いはまさに縁起でした。
この文脈では運がいいとか悪いとかの縁起とは違う意味です。
クラスメイト達とはこれからもそれぞれの属する分野でヨガを人生に取り入れていこうと誓い合いました。
そしてじゃあね。また会おうねとバイバイの前に、ヨガ講師メイトから質問が・・・ 「息子が思春期でニキビがひどいんですよね~。薬膳で考えたらどんな食事がいいんでしょうか?」 薬膳の専門家を目指す大人女性に届ける【ナチュラル薬膳生活Ⓡ学び舎ブログ】 それは、思春期のお子さんをお持ちの薬膳の生徒さまからもこれから出てきそうな深刻なご質問。 他にも以前思春期の高校生の男の子を持つ生徒さまから似たようなご相談を受けたことがありました。 そういえば自分も思春期は過ぎていましたが、社会人になった20歳代前半ひどいニキビに悩まされたことを思い出しました。 幸いニキビ跡は顔に残りませんでした。 しかし、その当時の医療技術の水準のせいだったのか、お医者様にかかって内服薬や外用薬を使ってもなかなか治らず、結局数年経って自然に治癒したのを記憶しています。 ニキビの出来た周辺は赤く腫れて中心には白い脂肪がプツプツ。 場所によっては化膿して膿が出たりしたので、顔のあちこちが痛かったです。 職場の先輩などに「青春のシンボルだね。」と言われたりしたので、精神的な痛みもありました。 そこで今日は思春期のニキビについての現代医学と中医学の捉え方とケア、そして薬膳の視点から普段の食事にどう気を付けたらよいのかヒントを書いてみることにしました。 もちろん薬膳で直接ニキビが治るわけではありませんが、中医学の食事療法「薬膳」の考え方からも心と体の養生の参考にして頂ければ幸いです。目次
現代医学と中医学のニキビの捉え方と一般的なケア
現代医学であっても中医学であっても、ニキビは炎症性の皮膚病の一種です。 現代医学の専門用語では、「尋常性痤瘡(じんじょうせいざそう)」と呼ばれる慢性の炎症性皮膚疾患。 今回、薬膳アドバイスを求めてくださったお母さまのお子さんもちょうど思春期でしたが、この年代以降にお顔を中心に先に自分が例に挙げたようなプツプツがたくさん生じます。 体が大人になりきる前は、内分泌系などが発達段階なので脂質代謝がうまく行かなくなることがあるのですね。 そのため皮脂の分泌が過剰になる毛穴に皮脂が詰まって起こる白ニキビや、皮脂をエサにアクネ菌が増殖するため炎症して起こる赤ニキビなどが混在しやすくなるのです。 現代医学と中医学の捉え方とケアの取り組みは、下記のように違っていたり似ていたりするので、ニキビで悩むご本人が理解してよいところを取り入れるのがよさそうです。 このようにナチュラル薬膳生活では「統合医療」の見地から、現代と伝統の両方の医学的な根拠や経験則を不調の予防とケアに生かしています。 調べましたら現代医学のニキビ薬も研究が進み、わたくしがニキビで悩んだ40年前には聞いたことがなかった専門の外用薬が使われているのですね。現代医学と中医学 ニキビケアの考え方
★現代医学
◎ニキビの捉え方
・思春期以降の慢性の炎症性の皮膚疾患
◎ニキビの原因
・内分泌系が関与する脂質代謝の異常
・皮脂の過剰分泌による毛穴の詰まり
・アクネ菌が皮脂の塊に増殖して炎症
◎主なニキビの外用薬
・アダパレン
★中医学(日本漢方)
◎ニキビの捉え方
・陰陽バランスの崩れによる熱や湿の皮膚病
◎ニキビの原因
・成長期の陰陽バランスの崩れ
・食事・休養など生活習慣の乱れ
・イライラなどの精神状態
◎主なニキビの内服漢方エキス剤
・荊芥連翹湯
・清上防風湯
・十味敗毒湯(日本の処方)
現代医学による病理の研究ではすでにニキビが生じるメカニズム自体は分かっています。
毛穴に詰まった分泌過剰な皮脂をエサにアクネ菌が増殖して炎症を起こしているのが基本的なニキビの原因。
現代医学では悪化させないためにも初期のうちに最新のニキビの外用薬アダパレンを使って、対症療法を行う方法が勧められています。
気になったのは、アダパレンの副作用。
新たな皮脂の詰りが起こらないよう、中医学的に言えば「湿」の病邪が生じないように「毛皮」を乾かす手法なので、肌の乾燥がひどくなるのだとか。
こうした現代医学の治療を受けていて副作用に悩んでいる場合、中医学に基づく薬膳の知恵が活躍する出番です。
例えばわたくしのプロフィールでは父が肺がんの放射線治療による副作用で気管支が炎症を起こして苦しんでいたとき、炎症を潤いで癒す「白きくらげ」を使うべきだったと回想しています。
中医学には「異病同治」という考え方があり、「違う不調を同じ方法で癒せる場合がある」という意味です。
ここではニキビの外用薬で起こりやすい副作用の乾燥ケアの予防を話題にしていますが、放射線治療による体内の炎症ケアの薬膳も同様に使えるので、よかったら参考にしてください。
日本でも白きくらげは乾物がスーパーの中華食材コーナー、またはネットショップで購入しやすくなりました。
上記で示されている漢方エキス剤は、現代医学の研究者が数少ない臨床での知見をもとにセレクトしたものです。
詳細は五年前の文献ですが、末尾にしっかりした学術研究「尋常性痤瘡治療ガイドライン 2017」の資料ダウンロード先を掲載しているので、
ただし、薬膳は中医学に基づく食事療法なので、本来はご本人の様子を拝見しないとどんなニキビタイプでどの漢方薬が合うのか分かりません。
ですから、ニキビのご相談を受けた時には食欲旺盛で多感なお年頃ということもあるので、食習慣や心の状態などを客観的にどのようであるかお話しを伺いました。
そのうえで薬膳の一般的なニキビケアの食事療法のヒントを差し上げた次第です。