【中医学の下痢とは】いろいろな下痢を習ったけれどどう違うのですか?

中医学の下痢の違いアイキャッチ

こんにちは。貴女の潜在的なレシピ開発力をひきだす薬膳ライフコーチ須崎桂子けいてぃーです。

薬膳ライフコーチがレシピ開発中

今日は午前中に自宅兼オフィスにてZOOMオンラインで【前期】薬膳基礎コース「理論レッスン」でした。

正午にレッスンを終えて窓から外を見たら3月末の雪が降っていてびっくり!

外は真っ白。

午後から柏本校サロンに行く予定だったのですが、今日は取りやめて自宅にてホームページを整備する事務作業に切り替え。

そのままおうちのキッチンでおまかない薬膳ランチを作り、今日はあまりに寒いので、体を温める黄色い紅花ご飯にしました。

このところ花粉症対策に緑のべにふうきご飯を炊くことが多かったのですが、急遽、冬の季節薬膳ご飯に逆戻りです。

紅花ご飯と鯖の桜花の甘酒白みそ煮込み薬膳ランチ

おかずは『薬膳生活レシピ開発BOOK Vol.4 春の季節薬膳』に収載した「桜花の甘酒」と白みそで仕上げた鯖と舞茸と人参の煮付け。

おうち薬膳ランチのときはいつも醤油麹で納豆も食べるのがお決まりです。

春の雪降る家庭薬膳となりましたが、芽吹きの春に消耗しやすい体液や血(けつ)をチャージする季節薬膳の処方になっています。

ところで今日の薬膳理論のレッスンでは、薬膳素材の分類について中医営養学の中からレクチャーをしました。

栄養学ではなく営養学の文字なのは、こちらの薬膳スクールで教えている中医薬膳学が、中国の中医薬大学から来ているので、中国語をそのまま踏襲しているからです。

薬膳レシピ開発に欠かせない今日の座学のレクチャーでは、胃腸のトラブルを予防ケアする薬膳素材をいくつかピックアップ。

その際、「今日は薬膳素材に関連していろいろな《下痢》を習ったけれど、どう違うのですか?」とご質問を頂きました。

薬膳の専門家を目指す大人女性に届ける【ナチュラル薬膳生活Ⓡ学び舎ブログ】

確かに下痢とひとくちに言っても様々なタイプがあるので、今回はこのご質問を話題にブログを書こうと思います。

今日は胃腸のトラブルをケアするのに役立つ薬膳素材の分類をカバーしたので、その一環として、下痢や便秘にも話が及びました。

下痢のイラストイメージ

生徒さまからの下痢についての質問は、薬膳素材とそれらに適応する不調についてのレクチャーについて浮かんだ素朴な疑問でした。

薬膳は中医学に基づく食事療法なので、中医営養学の薬膳素材の性質を使い、不調のタイプを中医学で分析して、どう予防ケアするか決めていきます。

今回はまず下痢に関連して大腸の働きと、中医学の視点から下痢の改善に役立つ薬膳レシピ開発の考え方と例をご紹介。

中医学と現代医学の視点から下痢の種類をざっくり大きく「急性」と「慢性」のふたつに分けて取り上げます。

自己診断で十分でない危険な下痢の場合もありますので、現代医学の知見として「※安藤内科おなかクリニックさん」の下痢の解説も参考にしました。

わたくしの著書のほか、参照させて頂いたサイトのリンク先は末尾に参考文献として記載しています。

胃腸の予防ケアに役立つ薬膳素材を学びながら考えた中医学でいう大腸の働き

中医学で捉えると、《下痢》は大腸が水分をうまく代謝できなくて、老廃物と一緒に大量の水分が腸管から体の外に出て行ってしまう不調のひとつです。

昨日のブログ「【中医学の臓腑とは】脾(ひ)って何ですか?脾臓(ひぞう)じゃないの?」では中医学でいう臓腑と現代医学でいう臓腑の働きや解釈が全く異なる場合があるので、注意が必要というお話しをしましたね。

でも、今日取り上げる大腸の働きは、現代生理学でいう大腸とほぼ同義で考えて頂いて大丈夫です。

ここでもまた消化器系統に関わる臓器について昨日と同じブログのイラストをご参照にお示ししておきますね。

大腸はこのように体幹の下部に位置していて、消化器系統が生命を維持するために必要な栄養物質を体の上部に運び上げた残りの分別された粕(かす)を体の外に直腸を経由して肛門から送り出します。

現代医学の臓腑

中医学では生体は体に必要なモノも老廃物も、むやみやたらに体の外に漏れ出ないように、ぎゅっと引き締めておく働きがあると考えます。

生命を維持するために必要な養分は外に出ないようにしっかりしまっておく必要があります。

一方、体の中で使い終わった老廃物は固形物と水分に分けられてある程度溜めておいてから、それぞれ大腸と膀胱から外に出すしくみになっています。

老廃物を溜めておく間は、お通じがむやみに出ないようにもちろん肛門は締まっています。

しかし、固形物の老廃物に含まれる水分のうち、まだ使えるきれいな部分が、体の中で再吸収されずに、お通じがカタチのないまま水様性の下痢で出てしまうことがあります。

それが下痢です。

下痢の症状を改善する薬膳レシピ開発には酸味や渋味のものを

今日の薬膳素材の分類のお勉強では、下痢のとき使う薬膳素材には、酸味や渋味のものが多いことをお伝えしました。

なぜなら、酸味や渋味の味の性質には刺激で腸管をきゅっと引き締めて、お通じやお小水などが漏れ出ないように防ぐ働きがあると中医学では考えられているからです。

下痢を止めることを、中医薬膳学では止瀉(ししゃ)というのですが、こうした薬膳素材はあまり多くありません。

今回は酸味のものとして、山楂子(さんざし)、そして、渋味のものでは蓮の実(はすのみ)をご紹介しました。

このうち山楂子については、『薬膳生活レシピ開発BOOK Vol.1 夏の季節薬膳』91ページに薬膳調味料の「山楂子酢」を収載していますので、よかったら活用してみてください。

昨年8月にこの電子書籍『薬膳生活レシピ開発BOOK』シリーズの最初の夏バージョンを第1冊目として出版したとき、目次の作り方が分からなくて、料理の検索が不便です。

ページのナンバリングはしてあるので、「位置NO.へ移動」のプルダウンメニューに「91」とページ番号を入れると、「山楂子酢」のレシピが出てきます。

山楂子酢の調合

簡単な薬膳調味料なので、作ってみたい方はどうぞお試しください。

山楂子は上記の画像のようにスライスして乾燥させたものが食品としてネットショップで流通しています。

『薬膳生活レシピ開発BOOK Vol.1 夏の季節薬膳』には、山楂子酢の活用レシピ開発例も2つ収載しました。

そのひとつが、129ページの「山楂子酢の胡瓜ガスパチョ」という脱水症状を予防ケアする夏の薬膳スープです。

このときは夏の暑気払いや脱水症状がテーマだったので、温かい調理法でご紹介していますから、このレシピをそのまま作るのでは下痢の症状改善には使えません。

しかし、ご紹介している薬膳調味料と調理例をアレンジして下痢のときの体調管理の薬膳レシピ開発の参考になります。

ではどのようにアレンジしたらよいのでしょう。

例えば、胃にもたれずに消化を助け下痢の症状を改善するための薬膳として「温かい人参と山楂子酢のポタージュスープ」などしてみては如何でしょう。

中医学では消化器系統つまり胃腸は、「温かい環境」でよく働くと考えられているからです。

アレンジする際は、下痢を助長する脂質の薬膳素材オリーブオイルなどは加えず、参考レシピと同じようにシンプルにチキンスープ、人参、じゃが芋、水で作られるといいですね。

消化吸収しやすいよう滑らかに材料を仕上げるにはミキサーを使うと手軽です。

これから急性と慢性の2種類の下痢についてご紹介しますが、こうした温かい薬膳ポタージュスープはどちらのタイプの下痢についても回復期の食養生に召し上がって頂けます。

中医学でも現代医学でもざっくり見れば下痢は2種類「急性」と「慢性」

では下痢のメカニズムや薬膳のレシピ開発例をおさえたところで、生徒さまから頂いた「いろいろな下痢を習ったけれどどう違うのですか?」のご質問を一緒に考えてみましょう。

中医学でも現代医学でも下痢の種類をざっくりとみると「急性」と、「慢性」の2種があります。

これらの下痢の種類の中から典型的な急性タイプの下痢を3種類、慢性タイプの下痢を2種類ご紹介します。

【急性の下痢】と【慢性の下痢】

 急性の下痢 3タイプ

 ◎飲食の不摂生による下痢
  ・いわゆる飲み過ぎ食べすぎ。下痢の際に肛門が熱く感じる場合があります。

 ◎体質と食べ物や調理法が合わない下痢
  ・特定の食材や生ものやスパイスなどを食べると必ず起こります。

 ◎食中毒や食あたりによる下痢
  ・ウイルスや菌によるもので重篤な場合は命に関わります。

 慢性の下痢 2タイプ

 ◎精神的なストレスによる下痢
  ・大腸は精神状態をダイレクトに感受するのでストレスですぐに失調します。

 ◎潰瘍性大腸炎・クローン病など慢性病による下痢
  ・腸管が慢性的に炎症しているため水分代謝がうまく出来ません。

ウイルス性の食中毒や悪性の炎症などの可能性がある場合は、自己診断で済ませずに医療従事者にしっかり診て頂くことが前提です。

そのうえで経口摂取でお食事を摂れる状態であれば、先にご紹介したような薬膳の食事療法を取り入れて、早い回復を目指すとよいですね。

体質に合わない食べ物やお料理は残念ですがまた下痢になるので避ける方が賢明です。

上記のうち、よくみられる症状は、慢性の「精神的なストレスによる下痢」です。過敏性腸症候群としても知られ、下痢と便秘を繰り返すのが特徴です。

慌ただしい現代社会では仕事や学問などを通じて日常生活上に遭遇するストレスは多々あります。

テレビの宣伝や電車の中刷り広告で様々な胃腸薬を見かけますが、ストレス性の下痢や便秘についてはハーブ薬膳茶が有効な場合があります。

体質や好みにもよりますが、メディカルハーブの世界でよく使われるのがペパーミントティー。

ナチュラル薬膳生活でもハーブ薬膳茶のブレンディングによく使っています。

ペパーミント&スギナ茶

ストレス性の下痢の予防とケアのハーブ薬膳茶に使うミントは、「ペパーミント」を選ぶのがポイント。

ペパーミントに含まれる「ℓ-メントール」という精油の植物化学成分の芳香で症状が軽減する人が多いからです。

なお、スペアミントにはこの「ℓ-メントール」はほとんど含まれていません。

まとめ【中医学の下痢とは】いろいろな下痢を習ったけれどどう違うのですか?

今回は薬膳素材についての理論レッスンにて生徒さまから頂いた「いろいろな下痢を習ったけれど、どう違うのですか?」というご質問に関連して、下痢のメカニズム、薬膳の食事療法の例、下痢の種類と対応についてご紹介しました。

下痢とひとくちに言っても、急性や慢性、自分で養生できる症状と、重篤な病気が隠れている場合など様々あります。

このため今回のケースでは現代医学の知見も交えて薬膳の食事療法もご案内しました。

薬膳は中医学に基づく食事療法なので、健康増進・不調の予防ケアを行うには、中医学の専門知識がある程度必要です。

さらに、大きな病気が隠れていないか見極めるには現代医学の医療従事者の方にもしっかり診て頂いて、普段の食事から自分やご家族の健康を守られるとよいですね。

普段から慢性の下痢で悩む方やご家族がある特定のお料理を食べるとお腹を壊しやすいと言ったご相談はよく耳にします。

中医薬膳学を土台に体調や体質への理解も深めながら、必要に応じて現代医学の知見も交えて、自分も人も幸せにするナチュラル薬膳生活を実践して頂ければ幸いです。

須崎桂子けいてぃー♪

参考文献:
須崎桂子著『薬膳生活レシピ開発BOOK Vol.1 夏の季節薬膳』
須崎桂子著『ナチュラル薬膳生活入門編』
須崎桂子著『ナチュラル薬膳生活応用編』
※下痢の症状と種類 安藤内科おなかクリニック

電子書籍『薬膳生活レシピ開発BOOK Vol.1 夏の季節薬膳』
第1版には、2022年3月22日現在、目次検索が付いていません。
薬膳レシピ例を参照するには、以下のページ番号を「位置NO.へ移動」に入力してご利用ください。
今年第2版改訂を予定しており、その際に目次検索を加えます。
第2版出版の際は5日間無料ダウンロードキャンペーンを行う予定です。

【夏の典型的な不調の例】位置(ページ)番号・レシピ例の名称

【夏バテ】
20  基本の土鍋炊きごはん
27  ごはんで作る甘塩麹
34  カニと卵のココナツカレー
42  塩麹と完熟トマトのかんたん米粉パン
52  白桃とフルーツトマトの冷製パスタ

【熱中症】
62  黄金比率のトマト塩麹
69  夏野菜とマンゴートマト素麺
77  スイカと白きくらげの糖水
84  苦瓜とひき肉の葛あん仕立て
91  山楂子酢

【脱水症状】
99  スイカとトマトのチキンサラダ
106 みかんピールのお豆腐のレアチーズケーキ
113 ハイビスカスの甘酒パンナコッタ
122 山楂子酢のサワードリンク
129 山楂子酢の胡瓜ガスパチョ

【むくみ】
137 あさりとセロリのはと麦スープ
145 冬瓜と取りにくいの味噌煮込み
153 じゃが芋と胡瓜の冷製スープ
160 とうもろこしとはと麦のごはん
167 ペパーミント&スギナ茶

実際に本格コースを受講できる《薬膳体験パーソナルレッスン》

【前期】薬膳基礎コースの「第0回ナチュラル薬膳生活ベーシッククラス」を、実際のコース同じように受講できるやさしい個人体験レッスンです。

受講した内容は次の回へとつながっていくので、体験での学びがそのまま基礎コースに生かせます。

薬膳の理論と調理を体系的に学べるコースの特徴や、薬膳レシピ「開発力」が必ず身につく学習システムを自分の目でしっかり確かめられるレッスン構成です。

薬膳体験パーソナルレッスンafter

薬膳体験パーソナルレッスンは「ZOOMオンライン」または「柏本校教室対面」にて、個人レッスンのご予約をいつでも受け付けています。

「【前期】薬膳基礎コース」に入学を検討している方が対象の体験レッスンです。

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