【薬膳レシピ開発】甲状腺ホルモンの病気を予防ケアする薬膳の考え方

甲状腺の病気と海藻についてアイキャッチ

こんにちは。貴女の潜在的なレシピ開発力をひきだす薬膳ライフコーチ須崎桂子けいてぃーです。

薬膳ライフコーチがレシピ開発中

ここ最近、甲状腺の病気の薬膳的な予防とケアについて気になるお話しやご相談がありました。

そういえば、自分の母親が小学校6年生の頃にバセドウ病に罹り長く入院したことを思い出します。

その頃はまだ子供でしたので、当時は母の不調がよく分かっていませんでした。

甲状腺の病気に罹った本人はものすごく疲れて体調が悪くなり、あまり動けなくなるといいます。

落ち込んだり精神症状が出る場合があるため、精神の病気だと誤診されることがあるので注意が必要。

母の場合も最初は誤って精神科の病院に入院させられて、それが心の傷になってしまっていたようです。

「検討違いな病院に入れられて迷惑した。」と、くり返し子供の頃に聞かされていました。

その後、バセドウ病なのがやっと分かり転院。

長く原宿にある甲状腺の病気で有名な伊藤病院に通院していたのをうっすらと覚えています。

それは45年くらい前の話。

現在は医療診断技術が発達しているので、以前よりバセドウ病の誤診は少なくなったと思います。

今では母も高齢になり介護施設で穏やかな日々を送っていますが、おかげさまで大きな病気はなく、甲状腺の病気のことはすっかり忘れている様子。

でも、最近甲状腺の病気が分かった人の話を聞いた時には、浮腫みや疲れなどの症状から最初は循環器系の病気を疑ったそうです。

今でも様々な角度から内分泌系の数値もしっかり検査したうえで、やっとはっきり甲状腺の失調だと分かることが多いのかもしれません。

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こうしたことが気になったので、今回は、【薬膳レシピ開発】甲状腺ホルモンの病気を予防ケアする薬膳の考え方に関連して、ライブ配信で語りました。

今日はちょうど今月出版する予定の『薬膳生活レシピ開発BOOK Vol.5 梅雨 季節薬膳』に収載する「トマト塩麹だれのワカメそうめん」を試作。

ワカメなど海藻類は甲状腺ホルモンの材料になるヨウ素を含むため、甲状腺の病気の人は避けるように言われています。

しかし日本人が大好きなワカメは、梅雨の蒸し暑いときの浮腫みを改善するのに重宝する薬膳素材のひとつ。

甲状腺の病気ではないけれど予防するために、海藻を全て避ける必要があるのか気になりました。

そこで日本食品標準成分表2020年版(八訂)を調べたら、ひとくちに海藻といっても種類によってヨウ素の含有量にはかなり差があります。

例えば、「昆布」は「ワカメ」に比べると桁違いにヨウ素が多いです!

そこで、甲状腺の病気の予防とケアを気にしている人のために、薬膳レシピ開発の考え方を分かち合うことにしました。

梅雨の季節薬膳「ワカメそうめん」のレシピにちなんで、配信したライブを動画情報に収めています。

録画はおよそ12分。文字情報でお読みになりたい方は、ブログを読み進めてくださいね☆

では、内分泌系の甲状腺と甲状腺ホルモンのこと、甲状腺ホルモンの材料となるヨウ素のに気を付ける薬膳の考え方についてお伝えします。

内分泌系の甲状腺と甲状腺ホルモンとは

甲状腺は首の皮膚のすぐ下、気管の前についている内分泌腺(ないぶんぴつせん)です。

内分泌というのは、体の外に出ないホルモンのこと。

甲状腺

甲状腺ホルモンのほかに一般の人にもよく知られているのは、性ホルモンや副腎皮質ホルモンなどがありますね。

ホルモンは一生のうちにほんの少量、耳かき一杯分にも満たない量が使われる程度ですが、それぞれホルモンによって特有の働きをします。

各ホルモンはまるで中医学にみる陰陽バランスのように、脳の下垂体から分泌され標的となる器官に「分泌を促す刺激ホルモン」や、逆に標的となる器官から分泌される「分泌を抑制するホルモン」の分泌というネガティブフィードバック調節の機能によって正常な分泌量が保たれています。

フィードバックシステム

ホルモンは血管の中を通って標的となる器官の受容体に対してだけ作用して、体の外には出ません。

だから「内分泌」といわれているのですね。

甲状腺ホルモンは全身の新陳代謝を調節しています。

このため、甲状腺の病気になって甲状腺ホルモンの分泌が過剰になっても減少し過ぎても、全身の倦怠感などが現れます。

冒頭で例に挙げたバセドウ病は、甲状腺ホルモン過剰症のほうです。

・食欲が亢進して食べるのに痩せる。
・心臓がどきどきする。
・脈が速くなる。
・イライラする。
・疲れやすい。
・息切れする。
・暑がる。
・下痢する。
・眼球が飛び出してくる。
・首が腫れてくる。

などの症状が見られます。

逆に、甲状腺ホルモンの分泌が過少なのは甲状腺機能低下症のひとつで、代表的なのは橋本病です。

・全身に倦怠感があって疲れやすい。
・寒がる。
・運動や精神活動が鈍くなる。
・顔の目の周りやあごが浮腫む。
・眉毛の外半分が抜ける。

などの症状が見られます。

現代医学の治療ではお薬の服用でこの甲状腺ホルモンの分泌異常を改善する方法を取ります。

甲状腺ホルモンの材料のヨウ素を多く含む薬膳素材「昆布」

現代医学の甲状腺の病気に対する予防とケアの方法としては、バセドウ病であっても、橋本病であっても、甲状腺ホルモンの材料になるヨウ素の摂り過ぎは避けるようにとされています。

でもその一方で、科学的な根拠はないから普通に日本の和食を食べていれば問題ないという医療機関の知見もネット上では見受けられ、統一した見解はないのかもしれません。

わたくしたち人間はヨウ素を主に食べ物から摂取します。

このため、現代栄養学の知見も併せて甲状腺の病気の予防ケアをしたい場合は、ヨウ素の多い食材は薬膳素材として使うのを避けるか減らすか意識したいものですね。

但し上述のとおり、医療機関によってヨウ素の摂取量については見解が分かれているようなので、薬膳作りにおいてはあまり神経質になり過ぎない程度がよいと思います。

一般的にはすでに海藻類にはヨウ素が含まれていることが知られています。

でも、ヨウ素は甲状腺ホルモンの材料になることよりも、髪を黒くすることのほうが広く認識されているように見受けられます。

薬膳の世界ではどんなに健康によいと言われる食材でも、摂り過ぎると偏りが生じて心と体によくない影響が出やすくなります。

ちなみにヨウ素の一日の推奨摂取量は、130㎍と言われています。

1㎍(マイクログラム)は、1gの100万分の1。

今回は自分がワカメを使う薬膳を紹介したばかりでもあり、海藻にはどれでもたくさんヨウ素が含まれているのか気になって調べました。

トマト塩麹だれのワカメそうめん

すると、昆布は乾燥させてあることも一因だとは思いますが、100gあたりヨウ素を240000㎍と多いです。

一方、生わかめは100gあたり1600㎍。

出典:日本食品標準成分表2020年版(八訂)

ワカメのヨウ素は昆布に比べれば格段に低いですね。

今回試作した「トマト塩麹だれのワカメそうめん」で使った一人当たりのワカメの量は25g。

単純に計算すると一食でヨウ素を400㎍食べることになります。

でもそのせいですぐに甲状腺の病気になるとは考えにくく、自分は母親と違ってこの病気に罹ったことはありません。

普段から海藻類が大好きでよく食べている自分にとっては、要素を含む薬膳素材の適正量については判断が難しいところです。

甲状腺の病気を薬膳で予防ケアする考え方

ヨウ素の摂り過ぎには注意しながら、必要に応じてヨウ素の少ない海藻類を程ほどに、家庭料理で使うのであれば大きな健康の問題は起きにくいと考えられます。

実を言えば、バセドウ病に関して言えばその発症メカニズムは、ヨウ素の多い食べ物を摂り過ぎたからというのではなく、免疫系のバランスの崩れが原因。

甲状腺ホルモンを分泌する側の甲状腺の受容体に、自己免疫疾患で出来てしまった甲状腺を刺激する「自己抗体」が甲状腺に作用して、必要以上に甲状腺ホルモンを作り続けてしまうからです。

もちろん甲状腺ホルモンの材料になるヨウ素が血液中に少なければ、自己抗体が甲状腺の受容体にくっついてもどんどん甲状腺ホルモンを作ることは出来なくなります。

だから、ヨウ素の摂取を控えようということなのでしょう。

でも、もっと総体的な視野で甲状腺の病気を捉えるならば、「ナチュラル薬膳生活Ⓡ」では、「陰陽ホメオスタシスの恒常性ネットワーク」も意識して、全体を整えながら不調の予防とケアを心がけるのがよいと考えます。

なぜなら、健康の維持増進には食事だけでなく、心・体・魂の陰陽バランスを、食事・運動・休養の健康三本柱で整えるのがとても大切だと認識しているから。

思えば自分の母親がバセドウ病を精神疾患と誤って見立てられたのも、心と体が複雑に関わり合っていることを見落としていたからだと思います。

わたくしたちの生命は、とても繊細で壊れやすい微妙な陰陽バランスの平衡状態の中で、この地上に生まれてからこの世を去るまで、バランスのゆらぎを最小限に整えながら支えられています。

それをビジュアル化したのが、下図の「陰陽ホメオスタシスのネットワークシステム」。

陰陽ホメオスタシスのネットワークシステム

かなり単純化した人間の心と体の中医学的な生理関係を図式舌曼陀羅図(まんだらず)ではありますが、心と体の状態は双方向で影響し合うこと。

そして、体の中の興奮を司る自律神経と弛緩を司る副交感神経から成る「自律神経系」、ここで話題に挙げている自己免疫疾患に関わる「免疫系」、甲状腺ホルモンを含む「内分泌系」も、双方向で影響し合っていること。

これらの「系」にもそれぞれ、薬膳の礎である中医学で重視している「陰陽バランス」のような対極する仕組みがあることを示しています。

どこか一部の調子が良ければ、よい影響が伝わって全体がハッピーで健康になります。

笑顔や笑いが、たとえ作り笑顔やうそ笑いであっても^^、健康を創ると言われているゆえんがここにあります。

それとは逆に、心であれ体であれ、どこかに小さな不調があれば、小さいうちに芽を摘んでおかないと、ドミノ倒しに悪い影響が伝わって、全体に大きな影響が出ると病気になるリスクが高まります。

ここで視覚化したかったのは、体の不調が精神状態に影響することがある一方で、心の問題が体自体にダメージを与えることがあるという考え方です。

だから、甲状腺の病気だけに関わらず、病気の予防とケアに際しては、心と体、そして目には見えないけれどひとり一人の魂の在り方も全部を看て、健康を守りたいものですね。

まとめ【薬膳レシピ開発】甲状腺ホルモンの病気を予防ケアする薬膳の考え方

今回は薬膳の視点から甲状腺ホルモンの病気を予防ケアするには、家庭生活での食事でどのように気を付けたらよいかご紹介しました。

甲状腺ホルモンの病気には、甲状腺ホルモンの分泌が過剰になるバセドウ病や、逆に過少になる橋本病があります。

甲状腺のイメージ

どちらの病気であっても、甲状腺ホルモンの材料となるヨウ素を大量に含む食材は摂り過ぎないようにという注意が医療機関から喚起されています。

でもその一方で、ヨウ素の摂取量は関係ないという知見を出している医療機関もあるので、判断は分かれます。

こうした薬膳素材となる食材のうち、ヨウ素を大量に含むので甲状腺の病気の心配のある人は食べ過ぎないようにと呼びかけられているのが「昆布」です。

日本人が古来食べてきた昆布は、和食の出汁の風味の基本。

日本で売られているさまざまな加工食品の調味料に含まれているので、日本人は世界で最もヨウ素の摂取量が高い国民だと考えられています。

しかし、昆布にヨウ素が多いからといって全ての海藻類に大量のヨウ素が含まれているわけではありません。

すでに甲状腺の病気に罹ってお医者さまからヨウ素の摂取を制限されている場合は、海藻類を避けるべきです。

甲状腺の病気が心配で予防のためであれば、たとえ薬膳素材であまり昆布は食べ過ぎないようにしたほうがよいでしょう。

しかし、今回梅雨の浮腫みを予防ケアする薬膳素材としてご紹介したワカメも海藻ですが、ヨウ素の含有量は昆布に比べると桁違いに少ないです。

だから、ヨウ素の摂り過ぎには注意しながら、必要に応じてヨウ素の少ない海藻類を適量、家庭料理で使うのであれば大きな健康の問題は起きにくいと考えられます。

甲状腺の病気の予防とケアだけに限らず、病気や失調は心や体のバランスの全体を整えるのが大切。

総体的に人間の心と体を捉えて薬膳生活を整えながら健康を守っていきたいものです。

こうした薬膳ライフコーチのナチュラル薬膳生活レッスンのひとこまが、これから薬膳の専門家を志すみなさんの参考になれば幸いです。

須崎桂子けいてぃー♪

参考文献:
須崎桂子著『ナチュラル薬膳生活入門編』
文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
伊藤病院
講談社『新版病気の地図帳』
成長科学協会 研究年報 No.34 2010『日本人成人のヨウ素摂取量と甲状腺機能との関連について

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薬膳体験パーソナルレッスンafter

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