【薬膳レシピ開発】金柑と枸杞の実で春の季節薬膳を考案したワケ

【薬膳レシピ開発】金柑と枸杞の実で春の季節薬膳を考案したワケ

2022年2月10日

金柑は年末ごろからフルーツ売り場に並び始め、立春の前後あたりが最盛期の柑橘類ですね。 爽やかな香りの柑橘類は春の季節にピッタリな薬膳食材。 誰でも手軽にスーパーで手に入れられるのも魅力です。 だから金柑レシピも来月出す電子書籍にも入れることに決め、薬膳素材でおなじみの枸杞の実と組み合わせることに。 金柑と枸杞の実 薬膳の専門家を目指す大人女性に届ける【ナチュラル薬膳生活Ⓡ学び舎ブログ】 今回は春の季節薬膳レシピ開発に収載するレシピのひとつに、金柑と枸杞の実を使うことにした理由を楽しくご紹介します。

オレンジのカラー・シトラスのアロマ・酸味のテイスト、金柑で3つのセラピー効果

金柑は皮ごと食べられる貴重な一物全体の薬膳素材です。 そしてひとつの食材からカラーセラピー・アロマセラピー・フードセラピー、トリプルセラピー効果が得られるのがメリット。 これら3つの特色をそれぞれご紹介すると以下のようになります。

 金柑のトリプルセラピー効果  カラーセラピー効果、生きる意欲が高まる第2チャクラの色だから。  ★アロマセラピー効果、明るい気分に誘う爽やかな柑橘の香りだから。  フードセラピー効果、パワーアップする植物酸がエネルギー生産を促すから。

1.金柑のカラーセラピー効果

植物性の薬膳素材には美しい彩りの植物色素成分を持つものが多いです。柑橘類の金柑もそのひとつ。 冬になるとフルーツが並ぶスーパーの売り場では、ひと際目に鮮やかなオレンジ色の柑橘類が山積みになります。 オレンジ色はインド思想哲学で言う第2チャクラのシンボルカラー。 「※チャクラ」はサンスクリット語で《車輪》を意味します。 人体の中心をとおるエネルギーの出入り口ポイントで、生殖器のある下半身から頭頂まで上に向かって7つあります。 7つのチャクラ ナチュラル薬膳生活の《薬膳ライフヨガ》でも、チャクラのカラーセラピー効果は心と体の健康管理に生かしています。 食事療法だけでは日々の健康の管理に十分ではないので、東洋伝統医学の流れを汲んで体を動かし呼吸法する養生法も行っているからです。 第2チャクラ「スワディシュターナチャクラ」のオレンジ色は自己が社会と関わり生きるチカラを活性化。 体の中央(スシュムナー)の気道(ナーディー)において下から2番目《生殖器系》に位置します。 それにまだ寒い早春。暖色の視覚効果で心と体が温かくなるので、キッチンに置いておくだけでも癒されます。 金柑と枸杞の実のコンポート だから本格的に春の温かさが訪れる前からカラーセラピー効果を存分に活用したい薬膳素材の果物のひとつです。

2.金柑のアロマセラピー効果

金柑や蜜柑など柑橘類が持つ爽やかなシトラスの香りは、皮を剥いたりトン!とナイフを入れたりするだけで、スグぱっと気分が明るくなるアロマセラピー効果を持っています。 食べる前から嗅覚をくすぐり、料理をし始めただけで気分がアップするし癒される手軽なクッキングセラピーにもなります。 わざわざ精油をたかなくても気分をリフレッシュしたければ、柑橘の果皮をちょこっといじるだけで芳香をエンジョイ。 柑橘のアロマセラピー 金柑に限らず、蜜柑、レモン、グレープフルーツ・・・シトラスの香りが楽しめる柑橘類ならどれでもほぼ同じ効果。 薬膳的に見ると体内の気血(きけつ)の循環をアップするから、代謝が良くなるのも嬉しいですね。 精油をたいた後で部屋に残ってしまう酸化した油のようなにおいがないのもメリットです。

3.金柑のフードセラピー効果

ナチュラル薬膳生活では薬膳のみなもとである中医学の考え方に加えて、現代の生理学や栄養学の要素も取り入れて日々の健康を守るのに役立てています。 中医学では春の季節になると、芽吹く木々と同じように人間の体もたくさん体内の滋養を使って、心も体も伸びやかに活性化されていくと考えられています。 現代生理学や現代栄養学に照らしてみれば、体の中の養分は※グリコーゲンやビタミンやミネラルなど。 だから、柑橘系の薬膳素材にはビタミンCや植物酸がたっぷりなのにも着目して薬膳フードセラピーに取り入れているのですね。 人間の体には「※クエン酸回路」という仕組みが備わっていて、食べ物から入ってきた糖質をエネルギーに変換します。 食べ物サイクル クエン酸回路が中医学でいうところの気(生体エネルギー)を生み出すには、ビタミンCや植物酸が必須。 春は体内の循環が活発になって体に貯えたエネルギー源やビタミンやミネラルを消耗しがちです。 だから春の食養生に金柑を使うのは理に適っているというワケです。

第1チャクラの赤色の枸杞の実で目の不調も予防・ケア

そんな嬉しいトリプルセラピー効果を持つ金柑に、赤色の枸杞の実をプラスして色彩の視覚効果と目の滋養も狙って組み合わせたのがこの「金柑と枸杞の実のコンポート」レシピ。 第1チャクラ「ムーラダーラチャクラ」の赤色は自分の力で生きていく生命力を活性化。 体の中央(スシュムナー)の気道(ナーディー)において下から1番目《筋肉・骨格・脚》に関与します。 だから枸杞の実はカラーセラピーの見地からも生命が次々と生まれる春の滋養強壮にピッタリ。 枸杞の実は血(けつ)を補給する薬膳素材の分類です。 目に張り巡らされている毛細血管に働きかけると考えられてきたからでしょうか。 春に起こりやすい目の充血や目のかすみを予防ケアする季節薬膳フードセラピーに使われます。 枸杞の実は日本薬局方に収載されている生薬のクコシのことで、眼精疲労をケアする栄養ドリンクにも配合されています。 また、枸杞の実と組み合わせた金柑の果皮には、ヘスペリジンという目の毛細血管の透過性を調節する植物化学成分が含まれています。 金柑と枸杞の実の組み合わせは、まさに目の不調の予防とケアに相性のよい組み合わせなのです。

まとめ【薬膳レシピ開発】金柑と枸杞の実で春の季節薬膳を開発したワケ

今回は、金柑と枸杞の実を組み合わせて春の季節薬膳のレシピ開発をした理由を紹介しました。 金柑には、色彩、香り、食事療法の3つの点から春に失調しやすい心と、滋養を必要とする体に働きかけるセラピー効果が期待できるからです。 金柑の暖色のオレンジ色にはインド思想哲学の見地から自分と社会の関りを活性化して元気になり、温かみを感じさせる働きがあります。 金柑をはじめ柑橘類の香りは気持ちを明るく前向きにさせるので、イライラしがちは春の心のケアに役立ちます。 そして現代栄養学的に、金柑に含まれるビタミンCや植物酸は糖質をエネルギーに変換するのに欠かせない成分だからです。 薬膳レシピ開発金柑と枸杞の実 金柑と組み合わせた枸杞の実にも、赤い色のチャクラの視覚的なセラピー効果があるほか、目の調子を整えます。 インドの思想哲学の赤い第1チャクラは自分の足で立って生きていくエネルギーの色。 赤は目のに張り巡らされた赤い毛細血管の色でもあります。 金柑の皮も枸杞の実も目の毛細血管の働きを調節するのに役立つ薬膳素材。 目の充血や目のかすみに悩まされやすい春の食養生に大変よい組み合わせというワケです。 薬膳は中医学に基づく食事療法です。このようにナチュラル薬膳生活ではさらに現代の生理学や栄養学の知見も組み合わせて、心と体の健康管理に役立てる暮らし方。自分も人も薬膳で幸せにしたい大人女性の皆さまの参考になれば幸いです。 参考文献: 須崎桂子著『ナチュラル薬膳生活入門編』 ※チャクラ バクティヨガ講師養成講座テキスト『Yoga instructor Teacher Training』 ※グリコーゲン e-ヘルスネット[情報提供] 筋グリコーゲン 厚生労働省
※クエン酸回路 e-ヘルスネット[情報提供] 筋グリコーゲン 厚生労働省]]>