【薬膳素材】胡桃は白髪予防に良いのでしょうか?

胡桃は白髪予防に良いのでしょうか?

こんにちは。貴女の潜在的なレシピ開発力をひきだす薬膳ライフコーチ須崎桂子けいてぃーです。

薬膳ライフコーチ須崎桂子ブログプロフィール

今日の午前中はナチュラル薬膳生活専門家養成コース【前期】薬膳基礎コースの薬膳調理レッスンでした。

ナチュラル薬膳生活専門家養成コースの調理レッスンには、調理実習だけでなく、調理の理論も含んでいます。

そして調理レッスンの後は、ご自身で薬膳テーマにそって自分でレシピを開発して提出する課題があります。

だから卒業生は皆さん、薬膳レシピを開発出来るようになって薬膳の専門家として家庭や社会で活躍しています。

胡桃を炒っているところ

ところで胡桃を炒ろうと取り出したら、生徒さまから「胡桃って髪が黒くなるんですよね。」とおっしゃいます。

それはあまり聞いたことがなかったので、一体どこから来た情報だろうと思って逆にこちらからお聞きしました。

よくよく伺うと「薬膳は白髪の予防に良い。」という話。

するとそれはSNSでご覧になったという薬膳ビジネスのインフォメーションだったのですね。

拝見すると「白髪」だけでなく、「脱毛」にも良いと記されていました!

薬機法に鑑みると本来は食材の効果効能を語りながらお仕事に結びつけるのはNG。

先人の知恵や経験則でいろいろな薬膳素材の食材やいわゆる生薬と重複するものが、健康管理に役立つことは何百年も前から薬学書を通じて後世に伝えられてきました。

薬膳レシピ開発には目的に応じて適切な薬膳素材を選ぶ必要があり、これらの働きを見極めなくてはなりませんから、情報の取扱いには気を付けています。

でもとにかく、薬膳のプロとしては胡桃と黒髪の関連性は興味深い話題。

薬膳の専門家を目指す大人女性に届ける【ナチュラル薬膳生活Ⓡ学び舎ブログ】

自分もちょっとネットや文献で調べてみて思うところがあったので、「胡桃は白髪予防に良いのか」読者さまと一緒に考えてみたいと思います。

胡桃が白髪予防に良いというのは本当か?

薬膳の世界では胡桃を食べると白髪予防に良いというのは、あまり聞いたことがありません。

日本では仕事を絡めながら特定の食材について薬理作用を謳うことは薬機法で禁じられています

ですから法に抵触しない程度にネットや文献でサクッと調べた範囲で考えたことを書きますね。

胡桃の働きを中医薬膳学、現代栄養学、それぞれの視点から見てみましょう。

参考文献はこちらのブログの末尾に記載しています。他の文献には胡桃と白髪や脱毛の関係が書かれているかもしれません。

 胡桃の働き

 中医薬膳学の視点
 「陽(よう)」を補給する「生薬」兼「薬膳素材」

◎お年寄りの足腰を強化
◎お年寄りの慢性けほけほ咳を改善
◎乾燥タイプの便秘改善

 現代栄養学の視点
 「細胞の老化を防ぐ栄養豊富なナッツ」

◎動脈硬化の予防
◎細胞の老化防止
◎高血圧の予防
◎疲労回復
◎便秘改善

このように比べてみると、中医薬膳学でも現代栄養学でも胡桃は「老化で現れやすい症状を改善する食べ物」と捉えられているのが分かります。

お年寄りの足腰が弱くなってよぼよぼになってしまう状態。

加齢で血管がもろくなり弾力性を失って生じる動脈硬化や高血圧・・・。

こうした症状の改善に役立つことが記されているのですが、髪が黒くなるとは書かれていないのですね。

正式な臨床実験データや学術論文も見つからなかったので、ここまで調べた時点では「胡桃を食べると髪が黒くなるというのは本当か?」判断がつきません。

ところで誰でもそうですが人間の肉体は年齢を重ねると臓腑や組織がもろくなるので、こうした不調が出てくるのは当たり前のこと。

それを事前にしっかり把握して食事の面から上手に体をメンテする拠り所になるのが、中医学の理論に基づく薬膳の食事療法や、現代栄養学による食事指導だったりするわけです。

胡桃20220306

中医薬膳学的に見ると胡桃は「陽」を補給する「生薬」兼「薬膳素材」の分類です。

陽には文脈によってさまざまな意味が含まれていますが、ここでは生命の根源的な物質ひとつです。

体の下の方に貯えられていて、臓腑や組織がよく働くように温めて滋養を供給する補給源、いわば屋台骨のような働きをするのです。

だから陽が不足すると五臓の腎・心・肺・脾に関わる老化現象が現れると言われています。

このため年齢を重ねて陽が減ってくると、よぼよぼで足腰が衰えた感じ、下半身や心臓やお腹の冷え、慢性的なけほけほ咳、大腸の潤いが減って生じる乾燥性の便秘などの症状が現れ始めるのです。

中医薬膳学的に見ると胡桃は陽を供給するので、こうした老化の症状を少しでも緩やかにすると考えられているのですね。

万物には崩壊の定めがあるため老化の進行は誰にも食い止めることは出来ません。

しかし、普段から自然の摂理として減っていく陽のことを知って、陽が不足してくる年齢になったら食べ物から陽を摂ることでエイジングを緩やかにするのは可能です。

ホスピスとご老人

老化に対する薬膳レシピはこうした考え方に立脚して開発します。

一方の現代栄養学的には胡桃に期待される働きとして、動脈硬化、細胞の老化防止、高血圧予防、疲労回復、便秘改善が挙げられています。

面白いのは中医薬膳学的に見た胡桃の働きとやや重なる部分があること。

五臓の「心(しん)」は現代医学でいう循環器系に大変関りが深い臓器です。

血脈つまり血管にポンプのように潤いや滋養を送り出して全身に届ける働きを担っているのですね。

血管の細胞壁を滋養してしなやかさを保つのに必要な栄養分を胡桃が供給してくれたら、動脈が健やかになり高血圧の改善にもつながることでしょう。

便秘の改善についても同じように、腸管を潤して老廃物を体の外に出すサポートをする働きが期待されています。

それに胡桃の働きを現代栄養学の考え方で抽象度を上げて捉えてみれば、抗酸化力を持つビタミンEが豊富なので「細胞の老化を防止する」わけです。

だから髪を黒くするメラニン色素を作り出す細胞の老化を緩やかにする方法で、白髪が増えるスピードを緩和する。

このようにとらえてムリなく日々の食事に取り入れるのが、よさそうにも思えます。

胡桃と黒髪が関連付けられた理由について考察

これまで見てきたように、胡桃を食べると髪が黒くなると直接的に書かれた学術文書は見つけられませんでした。

でもそれは、胡桃と黒髪に全く関係がないということではありません。

もっとほかの参考文献には書かれているかもしれませんしね。

とにかく中医薬膳学の視点から見ると、胡桃は「腎」に働きかける薬膳素材です。

中医学の「五行学説の分類と相関関係表」によると、腎も髪も同じ「水行」仲間。

水行の五臓は「腎」、そして水行の五華が「髪」です。

五行説のイメージ

ここから、腎に陽を補給する食べ物は間接的に髪の老化すなわち白髪のケアに役立つだろうと仮定したのではないかと思うのです。

食べ物はピンポイントの効果を狙って化学合成された医薬品と違って、生命を維持するために多くの有効成分を含んでいます。

医薬品イメージ

例えば胡桃は、糖質・たんぱく質・脂質といった三大栄養素だけでなく、ビタミンEや銅やマンガンなどのビタミンミネラルも豊富。

中医学でいう血(けつ)の通り道である血脈を健やかに保つのに役立つ、n-6リノール酸(41000mg/100g)やα-リノレン酸((9000mg/100g)いわゆる「オメガ3脂肪酸」)なども含んでいます。

だから、「胡桃は白髪予防に良い。」という投稿またはその投稿の参考文献の執筆者が、間接的に胡桃の含有成分が白髪予防にも良いと考えたのかもしれません。

この考察にはさらに薬剤師の会員さまが助け舟を出してくださいました。

胡桃に含まれるミネラルのうち特に微量元素の銅(1.21mg/100g)には、毛髪の形成や抗酸化活性を正常に保つ働きがあります。

髪の毛を黒くするメラニン色素の形成には、アミノ酸のチロシンを代謝するチロシナーゼという酵素が必要。

銅はこのチロシナーゼの大切な構成成分のひとつなので、不足すると髪の毛を黒くすることができません。

それに胡桃のオメガ3脂肪酸などのおかげで血行が良くなれば毛髪を形成するメカニズムも正常に働くでしょうから、間接的に白髪予防にもよいというわけです。

まとめ【薬膳素材】胡桃は白髪予防に良いのでしょうか?

「胡桃を食べると白髪予防に良い。」とSNSで読んだことがあるというお話しを聞いたので、今回は胡桃と黒髪の関係についてリサーチして考察してみました。

ネット検索や手元にある中医営養学と現代栄養学の専門書で胡桃の働きをリサーチしましたが、「胡桃は白髪予防に良い。」と直接書かれた情報はありませんでした。

しかし、さらにネット検索を重ねて参考文献を調べたところ、伝統医学ではこれまで胡桃が様々な老化の症状の改善にこれまで役立てられてきたことが分かりました。

現代栄養学の知見から見ても、胡桃には抗酸化力を持つビタミンEや微量元素の銅が豊富なことが知られています。

老化による白髪は、体が老化してメラニン色素を作ることが以前ほど出来なくなってくるが原因。

その自然の摂理を抗酸化力を持ちメラニン色素の形成に役立つ胡桃を食べることで、細胞の老化を緩やかにする方法で少しでも白髪になるのを食い止める。

このように中医薬膳学や現代栄養学などの知見を融合して多面的にとらえ、「胡桃は白髪予防にやはり役立つ」ということで理解できました。

黒髪のイメージ

今回の話題は如何だったでしょうか。

これから薬膳を本格的に学んで専門家となり、自分も人も薬膳で幸せにしたい大人女性の皆さまに、普段見慣れた薬膳素材の食材に対するこうした考察が参考になれば幸いです。

参考文献:
須崎桂子著『ナチュラル薬膳生活入門編』
神戸中医学研究会編著『中医臨床のための中薬学』
時事通信社『食材健康大事典』
文部科学省「日本食品標準成分表」2020年版(八訂)
株式会社コーセー「白髪を黒髪に回復させることってできるの?根本的な白髪対策を紹介!
https://www.kose.co.jp/kose/aging/aging49.html
2022年3月13日参照
春木レディースクリニック「カラダと食べ物 ミネラル 銅
https://haruki-cl.com/blog/eiyou/20210603.html
2022年3月14日参照

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薬膳体験パーソナルレッスンafter

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